ブンゴウサーチ

中野鈴子

『妹』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。692文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
692文字
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書出

妹は出かけて行った 一か月に一回の面会を 三か月のばして やっと出かけて行った タンスの底の しめっぽくなっているきものを引っぱり出し 右と左のびっこの足袋をはいて―― 妹はモチ米を一斗さげて行った 米を代えて汽車賃をつくるためだった 停車場 汽車の中 歩く道にもヤミ米テキハツの警官が立っている 妹は 一斗の米をふた包みにし、軽い風呂しき包みにみせかけ奥さん風に停車場を降りた いま降りた乗客

初出
底本中野鈴子全詩集
表記
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