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わたしの正月

中野鈴子

『わたしの正月』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。710文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
710文字
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書出

今日は一月一日 今日は正月だ 明けましておめでとうって たとえのようにいうけれど わたしらはそんなどころではないわ 年がら年じゅう米つくるが商売なのに 一片の雑煮もない 毎年ただ一本きていた 他国からの年賀状も今年は来ない 来るものは町の掛取りや 残りの年ぐ米を取りに来る地主の番頭だ 台所はポチャンポチャンと雨がもる 炭は買えず もみがらをぶすぶす燃やす くすぶり火が家一ぱいにひろがる 七十五

初出「プロレタリア文学 第一巻第五号」日本プロレタリア作家同盟出版部、1932(昭和7)年4月25日
底本中野鈴子全詩集
表記
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