わたしの正月
中野鈴子
『わたしの正月』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。868文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 868文字 |
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書き出し書出 | 今日は一月一日今日は正月だ明けましておめでとうってたとえのようにいうけれどわたしらはそんなどころではないわ年がら年じゅう米つくるが商売なのに一片の雑煮もない毎年ただ一本きていた他国からの年賀状も今年は来ない来るものは町の掛取りや残りの年ぐ米を取りに来る地主の番頭だ台所はポチャンポチャンと雨がもる炭は買えずもみがらをぶすぶす燃やすくすぶり火が家一ぱいにひろがる七十五の婆は... |
初出 | 「プロレタリア文学 第一巻第五号」日本プロレタリア作家同盟出版部、1932(昭和7)年4月25日 |
底本 | 中野鈴子全詩集 |
表記 | 新字新仮名 |
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