途中で
中野鈴子
『途中で』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。473文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 473文字 |
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書き出し書出 | わたしは途中で一人の女とすれちがった女のかおは白粉と紅で白く赤く美しかった背が高くふっくら円かった年は二十三四そして藤色チリメンの長袖厚いフェルト草履の大股でトットッと歩いて行ったそれは大変に自慢そうでからだ全体が得意で一ぱいのようだったわたしは洗いざらしの浴衣を着て青じけた顔をうつむけて通りすぎたわたしは顔をうつむけて通りすぎたそうしてわたしは振りかえった振りかえった時わたしの... |
初出 | 「婦人戦旗 第一巻第二号」戦旗社、1931(昭和6)年8月1日 |
底本 | 中野鈴子全詩集 |
表記 | 新字新仮名 |
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