途中で
中野鈴子
『途中で』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。395文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
| 文字数 | 5分以内 395文字 |
| 人気 | 215PV |
| 書き出し書出 | わたしは途中で一人の女とすれちがった 女のかおは白粉と紅で白く赤く美しかった 背が高くふっくら円かった 年は二十三四 そして藤色チリメンの長袖 厚いフェルト草履の大股でトットッと歩いて行った それは大変に自慢そうで からだ全体が得意で一ぱいのようだった わたしは洗いざらしの浴衣を着て 青じけた顔をうつむけて通りすぎた わたしは顔をうつむけて通りすぎた そうしてわたしは振りかえった 振りかえった |
| 初出 | 「婦人戦旗 第一巻第二号」戦旗社、1931(昭和6)年8月1日 |
| 底本 | 中野鈴子全詩集 |
| 表記 |
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