月は中天に
中野鈴子
『月は中天に』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。212文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 212文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 土も凍る夜友と二人炭のない部屋にねむろうとしているわれらの「戦旗」がいま二三の女の手にカギが渡され必死のこぶしを彼らの靴先が踏みくだこうとしている友の夫わたしの兄たちいく百の前衛は牢やいく千の兵士は満洲の戦場に狩り出され友と二人破れた雨戸の部屋にねむろうとしているガラスの窓に月が冴えて光る月は中天に輝々として。 |
初出 | |
底本 | 中野鈴子全詩集 |
表記 | 新字新仮名 |
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