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一家

中野鈴子

『一家』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。955文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
955文字
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書出

わたしの祖先は代々が百姓であった 八町はなれた五万石の城下町 ゆきとどいた殿様のムチの下で這いまわった 少しのことに重いチョウバツ 百たたきの音が夜気を破った 天保に生まれた祖父はいつも言った 百姓のようなつらい仕事があろうか 味無いもの食って着るものも着ず 銭ものこらん 金づちの川流れだ わたしの父母は五人の子供を育てた 父母は子供を百姓にさせる気はなかった 二人の男の子は五つ六つから朝晩瀬

初出「大鼓 第一巻第一号」現代文化社、1935(昭和10)年11月1日
底本中野鈴子全詩集
表記
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