懐
大江鉄麿
『懐』は青空文庫で公開されている大江鉄麿の短編作品。812文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
| 文字数 | 5分以内 812文字 |
| 人気 | 294PV |
| 書き出し書出 | 白樺の梢に冬眠は 引き裂くような雪肌を蒙古颪に冷めたくとぎすましている どんよりな雪雲に包まれた部落 彼方へずうと永く続き切っている地面 房々と綿の実ったような雪ころ 蹴ちらされた足跡が いとなけき者の 生活をしのぶ様に…… 「おっ母よ」 寒さに冷えきった体に 飯の空っぽにすいた胃袋をたたきのめしながら まるで木乃伊のように滑走った おっ母の乳下へかけずりよった つるし柿の様にしなびたおっ母の乳 |
| 初出 | 「詩精神」1934(昭和9)年11月号 |
| 底本 | 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) |
| 表記 |
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