ブンゴウサーチ

無念女工

榎南謙一

『無念女工』は青空文庫で公開されている榎南謙一の短編作品。966文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
966文字
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書出

お早うさん 昨夜の夢は? 故郷の庭には柘榴の花が散ってるだろう けさもまた やめて帰ろと思うたが 帯はあせたし 汽車賃なしではどうにもならぬ 爪をもがれた蟹のように 冷たい石畳みをヨチヨチと私たちは工場へはいる 今日もいちんち トタン塀の中で無自由だ! 渇いて 渇いて やりきれぬ トタン塀の外は たんぽぽが咲いて乳をながしたような上天気 町の活動小屋がラッパを吹いて廻るし 糸をつなぐ手がこんなに

初出「プロレタリア詩」1931(昭和6)年9月号
底本日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
表記
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