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昔の西片町の人

正宗白鳥

『昔の西片町の人』は青空文庫で公開されている正宗白鳥の短編作品。5,446文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
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30分以内
5,446文字
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書出

「日本の文壇は今全く不良少年の手に落ちました。何等の教養も何等の傳統もない不良少年の手に落ちました。」と、博士はその華やかであつた青年時代の、唯一の名殘りであるやうな、美しい眸を輝かしながら、嘆聲を洩らすのを聞く時には、雄吉は不良少年の手に落ちた文壇を悲しむよりも、博士自身に對して、妙な寂しさを感ぜずにはゐられなかつた。

初出「中央公論 第四十年第十号」中央公論新社、1925(大正14)年9月1日
底本正宗白鳥全集第十二卷
表記
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