二通の書翰
田中貢太郎
『二通の書翰』は青空文庫で公開されている田中貢太郎の短編作品。1,418文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,418文字 |
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書き出し書出 | 小説家後藤宙外氏が鎌倉に住んでいた比のことであると云うから、明治三十年前後のことであろう、その時鎌倉の雪の下、つまり八幡宮の前に饅頭屋があって、東京から避暑に往っていた××君がその前を通っていると、饅頭屋の主翁が出て来て、「あなたは××さんと云う方ではございませんか」と己の姓名を云うので、そうだと云うと、「こんなことを、だしぬけに申しましては、へんでございますが、二階堂の方の別荘にいらっしゃる――と云う奥さんが、あなたをお見かけ申したら、どうかお遊びにいらしてく... |
初出 | |
底本 | 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典 |
表記 | 新字新仮名 |
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