ブンゴウサーチ

碇泊船

今野大力

『碇泊船』は青空文庫で公開されている今野大力の短編作品。147文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
147文字
人気
0PV
書出

船腹の色のはげ落ちた惨さは 遠く波濤とたたかって来た 今は疲労になやんで ぐったりと体を伸べたような いたわりの心を感ずる 廃船のようではないか 英蘭の旗を船尾に立てて 見れば船員が二三人 甲板に出て立っている あの船員の眼は碧く 頭髪は褐色に染み 彼ら異邦を航海する人々 雪降り暮るる港にあり

初出「旭川新聞」1928(昭和3)年5月31日
底本今野大力作品集
表記
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。