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鱒の話

今野大力

『鱒の話』は青空文庫で公開されている今野大力の短編作品。537文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
537文字
人気
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書出

濃緑のあかだもの木の下にて 三十を越えた 四十あまりの人の話をきく 二十余年北国の地に流浪して 絶えず山水に親しみながら 生活を続けて来た人の話である 面は陽に赫けている ひげはおとなしくあご一面に ぼうぼうと生えている アイヌとも妥協して 或は独木舟に乗り激流をさか上った 事もあると言う 熊狩りに魚捕りに 野に山に宿した事もあると言う 長い半生にありし物語の さも面白そうな話ぶり ちょうど今頃

初出「詩と人生」1923(大正12)年8月
底本今野大力作品集
表記
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