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花に送られる

今野大力

『花に送られる』は青空文庫で公開されている今野大力の短編作品。432文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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5分以内
432文字
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書出

小金井の桜の堤はどこまでもどこまでもつづく もうあと三四日という蕾の巨きな桜のまわりは きれいに掃除され、葭簀張りののれんにぎやかな臨時の店店は 花見客を待ちこがれているよう 私の寝台自動車はその堤に添うて走る 春めく四月、花の四月 私は生死をかけて、むしろ死を覚悟して療養所へゆく すでに重症の患者となった私は これから先の判断を持たない 恐らく絶望であろうとは医師数人の言ったところ 農民の家が

初出「詩精神」1935(昭和10)年6月号
底本日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
表記
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