青空文庫で公開されている小寺菊子の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。
それは春とは云つても、まだ寒い頃であつた。
「あれ誰だか、兄さんは知つとるの!」「知らん!」「ちよつとそこ覗いて来ると分るわ。
私の家の祖先は、越中の国水橋といふ小さな漁村の生れであつた。