林檎のうた
片山広子
『林檎のうた』は青空文庫で公開されている片山広子の短編作品。304文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 304文字 |
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書き出し書出 | 麦の芽のいまだをさなき畑に向く八百屋の店は一ぱいの林檎深山路のもみぢ葉よりも色ふかく店の林檎らくれなゐめざまし立ちて見つつ愉しむ心反射して一つ一つの林檎のほほゑみみちのくの遠くの畑にみのりたる木の実のにほひ吾を包みぬ手にとればうす黄のりんご香りたつ熟れみのりたる果物の息すばらしき好運われに来し如し大きデリツシヤスを二つ買ひたり宵浅くあかり明るき卓の上に皿のりんごはいきいきとあるわがいのる人に言はれぬ祈りなどしみじみ交る林檎のにほひ... |
初出 | |
底本 | 燈火節 |
表記 | 新字旧仮名 |
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