十日間
長塚節
『十日間』は青空文庫で公開されている長塚節の短編作品。9,199文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 9,199文字 |
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書き出し書出 | 三月二日、月曜、晴、暖、起床平日よりはやし、冷水浴、宵に春雨が降つたらしく屋根が濕つて居る、しかし雫する程ではない、書院の庭にしきつめてある松葉は松もんもが交つてるので目障りであるがけさは濡れて居るからいかにも心持がよい、庭下駄を穿いてぶら/\とあるく、平氏門に片寄つてさうして戸袋にくつゝいた老梅が一株は蕾がちで二株は十分に開いて居る、蕾には一つづゝ露が溜つてその露が折々松葉の上に落ちる、五片六ひら散つて松葉にひつゝいてるのが面白い、まだ散る頃ではないから大方春雨の板... |
初出 | 生前未発表、1903(明治36)年執筆 |
底本 | 長塚節全集 第二巻 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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