石川三四郎の全作品

自然ほど良い教育者はない。

私の今から申し上げやうとすることは政談演説や労働運動の講演会といふ様なものではなくて、ごくじみな話であります。

私の農事実験所欧羅巴に漂浪のみぎり、私は五六年の間、仏蘭西で百姓生活を営んで来た。

今より丁度八年前、私が初めて旧友エドワアド・カアペンタア翁を英国シエフイールドの片田舎、ミルソープの山家に訪ふた時私は翁の詩集『トワアド・デモクラシイ』に就いて翁と語つたことがある。

ルクリュ家へ一九一三年の初夏のころであつた。

○クロポトキンの反対社会主義者、無政府主義者中にて、分業制度を最も悪んだものはピエール・クロポトキンであらう。

此ごろ農本主義といふものが唱へられる。

私が初めて自然と言ふものに憧憬を持ちはじめたのは、監獄の一室に閉じ込められた時のことである。

清い艶やかな蓮華草は、矢張り野の面に咲き蔽ふてこそ美しいのである。

芙美子さん大空を飛んで行く鳥に足跡などはありません。