海野十三の児童文学全作品

妙な手紙僕は、まるで催眠術にかかりでもしたような状態で、廃墟の丘をのぼっていった。

作者より読者の皆さんへこの小説に出てくる物語は、今からだいぶん先のことだと思ってください。

奇怪な噂もはや「火星兵団」の噂をお聞きになったであろうか！ふむ、けさ地下鉄電車の中で、乗客が話をしているのを、横からちょっと小耳にはさんだとおっしゃるのか。

川上機関大尉の酒壜わが練習艦隊須磨、明石の二艦は、欧州訪問の旅をおえて、いまやその帰航の途にあった。

万年雪とける昭和五十二年の夏は、たいへん暑かった。

ふしぎな運命人間は、それぞれに宿命というものをせおっている。

すばらしい計画夏休みになる日を、指折りかぞえて待っている山木健と河合二郎だった。

二少年みなさん、ジミー君とサム君とを、ご紹介いたします。

崖下の道いつも通りなれた崖下を歩いていた青二だった。

万年雪とける昭和五十二年の夏は、たいへん暑かった。

大西洋上のメリー号三千夫少年の乗り組んだ海の女王といわれる巨船クイーン・メリー号は、いま大西洋のまっただなかを航行中だった。

怪事件の第一ページまさか、その日、この大事件の第一ページであるとは春木少年は知らなかった。

臨時放送だ！「テレ・ラジオの臨時ニュース放送ですよ、おじさん」矢木三根夫は、伯父の書斎の扉をたたいて、伯父の注意をうながした。

東京の学校が休みになったので、彦太少年は三月ぶりに木谷村へ帰って来た。

廃工場の町少年たちは、遊び方に困っていたし、また遊ぶ場所もなかった。

夏休の宿題やけ野原を、東助とヒトミが、汗をたらしながら、さまよっていた。

こんな文章およそ世の中には、人にまだ知られていない、ふしぎなことがずいぶんたくさんあるのだ。

大雷雲ねずみ色の雲が、ついに動きだした。

ふしぎな器械「ぼく、生きているのがいやになった」三四郎が、おじさんのところへ来て、こんなことをいいだした。

気味のわるい名物「時計屋敷はおっかねえところだから、お前たちいっちゃなんねえぞ」「お父うのいうとおりだ。

祖国近し房枝は、三等船室の丸窓に、顔をおしあてて、左へ左へと走りさる大波のうねりを、ぼんやりと、ながめていた。

ドイツ軍襲来「おい、起きろ。

ゆかいな時代このゆかいな探険は、千九百七十何年だかにはじめられた。

はじめにこの「四次元漂流」という妙な題名が、読者諸君を今なやましているだろうことは、作者もよく知っている。

怪老人怪塔王という不思議な顔をした人が、いつごろから居たのか、それは誰も知りません。

「火の玉」少尉「うーん、またやって来たか」と、田毎大尉は、啣（くわ）えていた紙巻煙草をぽんと灰皿の中になげこむと、当惑顔で名刺の表をみつめた。

人造人間の家このものがたりは、ソ連の有名な港町ウラジオ市にはじまる。

怪しい空缶どういうものか、ちかごろしきりと太平洋上がさわがしい。

噴行艇は征く黒いインキをとかしたようなまっくらがりの宇宙を、今おびただしい噴行艇の群が、とんでいる。

模型飛行機丁坊という名でよばれている東京ホテルの給仕君ほど、飛行機の好きな少年は珍らしいであろう。

この物語は、西暦一千九百五十年に、はじまる。

世界一の潜水艇みなさんは、潜水艇というものを知っていますね。

月光下の箱根山それは大変月のいい夜のことでした。

軍港を出た五潜水艦謎の航路はどこまで「波のうねりが、だいぶ高くなって来ましたですな」先任将校は欄干につかまったまま、暗夜の海上をすかしてみました。

眠られぬ少年深夜の大東京！まん中から半分ほど欠けた月が、深夜の大空にかかっていた。

日本海の夕日大きな夕日は、きょうも日本海の西の空に落ちかかった。

あやしい鳩（はと）高一とミドリのきょうだいは、伝書鳩をかっていました。