エトナ
野上豊一郎
『エトナ』は青空文庫で公開されている野上豊一郎の短編作品。8,772文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 8,772文字 |
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書き出し書出 | イタリアとシチリアの海岸は、どこへ行っても、南国らしい澄み透った空と紺碧の海があって、強烈な陽光が燦々と降り濺(そそ)ぎ、その下に骨ばった火山系の山彙が変化の多い形貌で展開し、古い石造の家屋が密集したり、散在したりして、橄欖・扁桃・柘榴・ぬるで・いちじく等の果樹、或いは赤松・糸杉などの樹林が点綴し、葡萄が茂り草花が咲き出て、自然の装飾の濫費を感ぜしめられるが、その中でも最も強い印象を与えられて、いつも一番に思い出すのは、エトナを中心とするカターニアからタオルミーナへ... |
初出 | |
底本 | 世界紀行文学全集 第六巻 イタリア、スイス編 |
表記 | 新字新仮名 |
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