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駅夫日記

白柳秀湖

『駅夫日記』は青空文庫で公開されている白柳秀湖の長編作品。38,372文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜
38,372文字
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書出

私は十八歳、他人は一生の春というこの若い盛りを、これはまた何として情ない姿だろう、項垂れてじっと考えながら、多摩川砂利の敷いてある線路を私はプラットホームの方へ歩いたが、今さらのように自分の着ている小倉の洋服の脂垢に見る影もなく穢(よご)れたのが眼につく、私は今遠方シグナルの信号燈をかけに行ってその戻りである。

初出「新小説」1907(明治40)年12月
底本日本の文学 77 名作集(一)
表記
新字新仮名
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