船医の立場
菊池寛
『船医の立場』は青空文庫で公開されている菊池寛の短編作品。11,783文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 11,783文字 |
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書き出し書出 | 晩春の伊豆半島は、所々に遅桜が咲き残り、山懐の段々畑に、菜の花が黄色く、夏の近づいたのを示して、日に日に潮が青味を帯びてくる相模灘が縹渺(ひょうびょう)と霞んで、白雲に紛れぬ濃い煙を吐く大島が、水天の際に模糊として横たわっているのさえ、のどかに見えた。 |
初出 | |
底本 | 菊池寛 短篇と戯曲 |
表記 | 新字新仮名 |
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