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木曽道中記

饗庭篁村

『木曽道中記』は青空文庫で公開されている饗庭篁村の長編作品。26,857文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜
26,857文字
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書出

第一囘鐵道の進歩は非常の速力を以て鐵軌を延長し道路の修繕は縣官の功名心の爲に山を削り谷を埋む今ま三四年せば卷烟草一本吸ひ盡さぬ間に蝦夷(ゑぞ)長崎へも到りヱヘンといふ響きのうちに奈良大和へも遊ぶべし况(いは)んや手近の温泉塲など樋(とひ)をかけて東京へ引くは今の間なるべし昔の人が須磨明石の月も枴(おふご)にかけてふり賣にやせんと冷評せしは實地となること日を待たじ故に地方漫遊のまた名所古跡一覽のと云ふ人は少し出立を我慢して居ながら伊勢の大神宮へ賽錢あぐる便利を待つたが宜さうなもの...

初出「東京朝日新聞」1890(明治23)年5月3日~7月3日
底本明治文學全集 94 明治紀行文學集
表記
旧字旧仮名
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