俗天使
太宰治
『俗天使』は青空文庫で公開されている太宰治の短編作品。8,357文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 8,357文字 |
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書き出し書出 | 晩ごはんを食べていて、そのうちに、私は箸と茶碗を持ったまま、ぼんやり動かなくなってしまって、家の者が、どうなさったの、と聞くから、私は、あ、厭(あ)きちゃったんだ、ごはんを、たべるのが厭きちゃったんだ、とそう言って、そのことばかりでは無く、ほかにも考えていたことがあって、それゆえ、ごはんもたべたくなくなって、ぼんやりしてしまったのであるが、けれども、それを家の者に言うのは、めんどうくさいので、もうこのまま、ごはんを残すから、いいかね、と言ったら、家の者は、かまいません、と答えた。 |
初出 | |
底本 | 太宰治全集3 |
表記 | 新字新仮名 |
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