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鈍・根・録

宮本百合子

『鈍・根・録』は青空文庫で公開されている宮本百合子の短編作品。4,477文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
4,477文字
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書出

六月十三日に、ぬがされていた足袋をはき、それから帯をしめ、風呂敷の包みを下げて舗道へ出たら、駒下駄の二つの歯がアスファルトにあたる感じが、一足一足と、異様にはっきり氷嚢の下の心臓にこたえた。

初出「改造」1934(昭和9)年8月号
底本宮本百合子全集 第四巻
表記
新字新仮名
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