日本山岳景の特色
小島烏水
『日本山岳景の特色』は青空文庫で公開されている小島烏水の短編作品。7,355文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 7,355文字 |
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書き出し書出 | 私たちが学生旅行をした時代には、日本の名山と言えば、殆んど火山に限られたように思われていた、富士山にさえ登り得らるれば、あとはみんな、それよりも低く、浅く、小さい山であるから、造作はないぐらいに考えていた、そのころ、今日でいう日本アルプス系の大山嶺で、私が名を知っていたものは、立山御嶽などいう火山の外には、木曾の駒ヶ岳(大部分黒雲母花崗岩より成る)ぐらいなものであった、いま憶い出しても笑わずにはいられないのは、その時代、或(ある)地理書の山岳高度表で、富士山の次に、白峰だの赤石山だのとい... |
初出 | |
底本 | 山岳紀行文集 日本アルプス |
表記 | 新字新仮名 |
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