上海の絵本
三岸好太郎
『上海の絵本』は青空文庫で公開されている三岸好太郎の短編作品。3,381文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 3,381文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 霧に包まれた上海の街、十米も先はわからない様なモヤ、灰色の雲の中をフハリフハリと行く人、その時、街の心臓にパツト灯がつく、白いロココ風の馬車が二馬路の角を通る、白い馬車白い二頭の俊足を持つた馬、白いビロードの服をつけた馭者、乗つて居る人は老人と華かな飾りをつけた若い弱々しい、紫色の娘、彼氏はその時刻に二馬路から三馬路にかけて歩道を散歩して居れば必ずその白い馬車を必ず定つて見かけた。 |
初出 | 「セレクト 第一巻第八号」セレクト社、1930(昭和5)年8月 |
底本 | 感情と表現 |
表記 | 新字旧仮名 |
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