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金魚は死んでいた

大下宇陀児

『金魚は死んでいた』は青空文庫で公開されている大下宇陀児の短編作品。10,694文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
10,694文字
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書出

一 「おやおや、惜しいことしちまつたな」  思わず口から出たひとりごとだつたが、それを聞きとがめた井口警部が、ふりむいて、 「なんだい。何が惜しいことしたんだね」  というと平松刑事が、さすがに顔を赤らめひどく困つた眼つきになつて、 「いえ……その……金魚ですよ。こいつは三匹ともかなり上等のランチュウです。死んでしまつているから、どうも惜しいことしたと思いまして」  と答えたから、捜査の連中も鑑

初出「宝石九月号」岩谷書店、1954(昭和29)年9月1日
底本宝石九月号
表記
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