水墨
小杉放庵
『水墨』は青空文庫で公開されている小杉放庵の短編作品。2,472文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 2,472文字 |
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書き出し書出 | 九月二日の頃、下町の火の手怖ろしく、今にも根津の方角へ延びて来そうに見え、根津に来れば、自分の宅あたりも一なめになるかならぬかというところ、ともかく家中のものの不安が、遂に一応家財の始末をせしむる事となる、妹が、兄さんのものは何と何ですか、と問う、文徴明の軸と墨だけ、行李の隅へ入れて置いてくれと答えた。 |
初出 | |
底本 | 日本の名随筆27 墨 |
表記 | 新字新仮名 |
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