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血の文字

黒岩涙香

『血の文字』は青空文庫で公開されている黒岩涙香の長編作品。45,014文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜
45,014文字
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書出

前置(著者の)「あア/\斯(こ)うも警察のお手が能く行届き、何うしても逃れぬ事が出来ぬと知たら、決して悪事は働かぬ所だッたのに」とは或(ある)罪人が己れの悪事露見して判事の前に引据られし時の懺悔の言葉なりとかや、余は此(この)言葉を聞き此記録を書綴る心を起しぬ、此記録を読むものは何人も悪事を働きては間職に合わぬことを覚り、算盤珠に掛けても正直に暮すほど利益な事は無きを知らん、殊に今日は鉄道も有り電信も有る世界にて警察の力を潜り果せるとは到底出来ざる所にして、晩かれ早かれ露見して...

初出「綾にしき」1892(明治25)年8月
底本日本探偵小説全集1 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎集
表記
新字新仮名
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