ブンゴウサーチ

天の狼

富沢赤黄男

『天の狼』は青空文庫で公開されている富沢赤黄男の短編作品。4,055文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
4,055文字
人気
786PV
書出

天の狼 虎 爛々と虎の眼に降る落葉 冬日呆 虎陽炎の虎となる 凝然と豹の眼に枯れし蔓 日に憤怒る黒豹くろき爪を研ぎ 馬馳ける冬まんだらの雲の影 寒雷や一匹の魚天を搏ち からたちの冬天蒼く亀裂せり 縞 枯葦の月の罅けゆく影ばかり 海昏るる黄金の魚を雲にのせ 草原のたてがみいろの昏れにけり 火口湖は日のぽつねんとみづすまし 海峡を越えんと紅きものうごく ひた/\と肺より蒼き蝶の翅 蜂の巣に蜜

初出
底本現代日本文學大系 95 現代句集
表記
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