夜通し風がふいていた
竹内浩三
『夜通し風がふいていた』は青空文庫で公開されている竹内浩三の短編作品。296文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 296文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 上衣のボタンもかけずに厠(かわや)へつっ走って行った厠のまん中にくさったリンゴみたいな電灯が一つまっ黒な兵舎の中では兵隊たちがあたまから毛布をかむって夢もみずにねむっているのだくらやみの中でまじめくさった目をみひらいているやつもいるのだ東の方が白んできて細い月がのぼっていた風に夜どおしみがかれた星はだんだん小さくなって光をうしなってゆくたちどまって空を... |
初出 | |
底本 | 竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻 |
表記 | 新字新仮名 |
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