兄ちゃん
木村好子
『兄ちゃん』は青空文庫で公開されている木村好子の短編作品。517文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 517文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 吹きっさらしの田圃にはもう、村の誰も出ていないだのに、私の家では麦蒔きがすまない取り入れ半ばに兄ちゃんが召集されてあとに残った女手二つ私とおっ母とであくせくと麦蒔き毎日、朝早くから晩おそくまでかたい刈株をうちかえし、うねをつくりせっせと蒔きつけを急ぐ私達――かよわい女手で、夕方、ぐったり疲れて家に帰れば地主の奴が、がみがみ年貢を取りたてにやってくるおお兄ちゃんが満州へ引ったてられて行ってから... |
初出 | 「プロレタリア詩」1931(昭和6)年12月号 |
底本 | 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) |
表記 | 新字新仮名 |
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