ブンゴウサーチ

兄ちゃん

木村好子

『兄ちゃん』は青空文庫で公開されている木村好子の短編作品。440文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
440文字
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書出

吹きっさらしの田圃には もう、村の誰も出ていない だのに、私の家では麦蒔きがすまない 取り入れ半ばに兄ちゃんが召集されて あとに残った女手二つ 私とおっ母とであくせくと麦蒔き 毎日、朝早くから晩おそくまで かたい刈株をうちかえし、うねをつくり せっせと蒔きつけを急ぐ私達―― かよわい女手で、夕方、ぐったり疲れて家に帰れば 地主の奴が、がみがみ年貢を取りたてにやってくる おお兄ちゃんが満州へ引っ

初出「プロレタリア詩」1931(昭和6)年12月号
底本日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
表記
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