落葉
木村好子
『落葉』は青空文庫で公開されている木村好子の短編作品。667文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 667文字 |
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書き出し書出 | 落葉よ、落葉よ、秋風に吹かれて、お前がカラカラと鳴り乍ら井戸端に水すすぐ私の手元へ、黄色く、舞いこんでくると、おお、私は胸ふたがれる!何一つもたらすことなく、過ぎ去った日の一日一日をただ、えいえいとつづれつくろい、米かしぎ凡ての希みも、よろこびも、かなしみさえもおき去りにして生涯をただ貧しく終えゆく無数の私らの生命のように、ああ、お前は散ってゆく、秋風になぶられて、舞い乍ら…... |
初出 | 「詩精神」1935(昭和10)年11・12月合併号 |
底本 | 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) |
表記 | 新字新仮名 |
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