休日に――工場に働く女工さん達に捧ぐ――
藪田忠夫
『休日に』は青空文庫で公開されている藪田忠夫の短編作品。1,899文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,899文字 |
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書き出し書出 | 胸一杯に吸いこんだ空気甘い甘い麦のかおり何故となくきれぎれに思い出てはあとかたもなく消えて行く幼ない時の楽しい思い出一月目に見る村の麦畑の何んと伸々と変っていることだろう風呂敷包を下げ胸をふくらせ休日の久方ぶりに村の本道を帰って来た私おしつけてもおしつけても湧き上って来る此のうれしさ休み日ごとに家に故里にかえりたい心はせき上げて来る潮のように体中をかけめぐり考えも感情も何もかもぎりぎりと巻きから... |
初出 | 「田園の花 第3号」1932(昭和7)年5月 |
底本 | 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) |
表記 | 新字新仮名 |
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