手
今村恒夫
『手』は青空文庫で公開されている今村恒夫の短編作品。955文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 955文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 俺達の手を見てくれ給えごつごつで無細工で荒れて頽(すた)れて生活の如に殺風景だが矍鑠(かくしゃく)とした姿を見てくれ給え頑健なシャベルだ伝統と因習の殻を踏み摧(くだ)き時代の扉を打ち開く巨大な手だりゅうりゅうと筋骨はもくれ上り俺達の如く底力を秘めているどきっどきっ脈打つ血管には火よりも赤い革命の血が流れすべっすべっ皮膚は砲身の如く燿(かがや)いているペシャンコにひしゃげた爪は兄弟達の顔面の如に醜いが... |
初出 | 「文芸戦線」1929(昭和4)年8月号 |
底本 | 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) |
表記 | 新字新仮名 |
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