さか立ち小僧さん
小川未明
『さか立ち小僧さん』は青空文庫で公開されている小川未明の短編作品。7,527文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 7,527文字 |
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書き出し書出 | こい紫の、ちょうどなす色をした海の上を、赤い帯をたらし、髪の毛をふりみだしながら、気のくるった女が駈(か)けていくような、夏の雲を、こちらへきてからは、見られなくなったけれど、そのかわり、もっとやさしい女神が、もも色の長いたもとをうちふり、うちふり、子どもたちといっしょに鬼ごっこをしているような、なごやかな夕雲の姿を、このごろ毎日のごとく、街の上の空に、ながめるのであります。 |
初出 | 「少年朝日 別冊冬の読み物集」1949(昭和24)年11月 |
底本 | 定本小川未明童話全集 14 |
表記 | 新字新仮名 |
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