さか立ち小僧さん

小川未明

『さか立ち小僧さん』は青空文庫で公開されている小川未明の短編作品。7,052文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。

文字数
30分以内7,052文字
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書き出し

こい紫の、ちょうどなす色をした海の上を、赤い帯をたらし、髪の毛をふりみだしながら、気のくるった女が駈けていくような、夏の雲を、こちらへきてからは、見られなくなったけれど、そのかわり、もっとやさしい女神が、もも色の長いたもとをうちふり、うちふり、子どもたちといっしょに鬼ごっこをしているような、なごやかな夕雲の姿を、このごろ毎日のごとく、街の上の空に、ながめるのであります。

初出「少年朝日 別冊冬の読み物集」1949(昭和24)年11月
底本定本小川未明童話全集 14
表記
新字新仮名