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大森彦七と名和長年

松本幸四郎

『大森彦七と名和長年』は青空文庫で公開されている松本幸四郎の短編作品。4,000文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内
4,000文字
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書出

「大森彦七」は師匠団十郎が福地桜痴居士に書卸していたゞき、明治三十年十月の明治座で初演され、大好評を博した狂言で、後日新歌舞伎十八番の中にも加へた当り芸なのですが、居士が脚本を書き上げて内読をした時、団十郎は正成戦死の物語を素で行きたいと希望し、更に狂乱になつて踊りたいから文句を書加へてほしいと注文したところ、居士は即座に承諾して「太平記」の中にある俗謡「この頃都で流行るもの云々」を生ではめこみ、居士の博職と機智に感心させられたといふ話が残つてゐます。

初出
底本日本の名随筆 別巻10 芝居
表記
新字旧仮名
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