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枯尾花

関根黙庵

『枯尾花』は青空文庫で公開されている関根黙庵の短編作品。5,809文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
5,809文字
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書出

◎北千住に今も有る何んとか云う小間物屋の以前の営業は寄席であったが、亭主が或る娼妓(しょうぎ)に精神をぬかし、子まである本妻を虐待して死に至らしめた、その怨念が残ったのか、それからと云うものはこの家に奇しい事が度々あって驚ろかされた芸人も却々多いとの事であるが、或(ある)時素人連の女芝居を興行した際、座頭の某が急に腹痛を起し、雪隠へはいっているとも知らず、席亭の主人が便所へ出掛けて行く、中の役者が戸を明て出る機会、その女の顔を見るが否や、席亭の主人は叫喚と云って後ろへ転倒り汝(てめえ)まだ...

初出「新小説 明治四十四年十二月号」春陽堂、1911(明治44)年12月
底本文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
表記
新字新仮名
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