山の手歳事記
正岡容
『山の手歳事記』は青空文庫で公開されている正岡容の短編作品。5,401文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 5,401文字 |
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書き出し書出 | 猿飴猿飴の猿に湯島の時雨かな綺堂古風な彩色を施し市井芸術としての匂ひいと高い昔ながらの木づくりの猿の看板をかかげて本郷湯島の猿飴は、昭和十八年の末ちかくまで本郷三丁目から湯島天神祠へ至る南側の電車通りに、辛くも伝来の営業をつゞけてゐたが已にその舗のたゞずまひは安価低調なバラック同様の和洋折衷館となつてゐて、伝統猿飴の美しき陰影をつたへる何物とても最早なかつた。 |
初出 | |
底本 | 東京恋慕帖 |
表記 | 新字旧仮名 |
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