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ユネスコと科学

仁科芳雄

『ユネスコと科学』は青空文庫で公開されている仁科芳雄の短編作品。1,504文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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1,504文字
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書出

科學は呪うべきものであるという人がある.その理由は次のとおりである.原始人の鬪爭と現代人の戰爭とを比較して見ると,その殺戮の量において比較にならぬ大きな差異がある.個人どうしの掴み合いと,航空機の爆撃とを比べて見るがよい.さらに進んでは人口何十萬という都市を,一瞬にして壞滅させる原子爆彈に至っては言語道斷である.このような殘虐な行爲はどうして可能になつたであろうか.それは一に自然科學の發達した結果に他ならない.であるから,科學の進歩は人類の退歩を意味するものであつて,まさに呪う...

初出「自然」1948(昭和23)年3月
底本自然 300号記念増刊 総収録 仁科芳雄・湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一
表記
旧字旧仮名
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