霓博士の廃頽
坂口安吾
『霓博士の廃頽』は青空文庫で公開されている坂口安吾の中編作品。15,369文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数 | 60分以内 15,369文字 |
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書き出し書出 | 星のキラキラとした夜更けのことで、大通りの睡り耽つたプラタナの陰には最早すつかり濡れてしまつた街燈が、硝子の箱にタラタラと綺麗な滴を流してゐたが、――シルクハットを阿弥陀に被り僕の腕に縋り乍らフラフラと千鳥足で泳いでゐた霓博士は、突然物凄い顔をして僕を邪慳に突き飛ばした。 |
初出 | 「作品 第二巻第一〇号」1931(昭和6)年10月1日 |
底本 | 坂口安吾全集 01 |
表記 | 新字旧仮名 |
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