貢院の春
原勝郎
『貢院の春』は青空文庫で公開されている原勝郎の短編作品。6,149文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 6,149文字 |
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書き出し書出 | 大正三年の春南海よりの歸へるさに支那内地を一瞥せばやと思ひ立ち、上海の淹留中には一夜泊りにて、杭州に遊び、噂にのみは年久しく耳馴れし西湖の風光をまのあたり眺め、更に上海よりして陸路金陵に赴き、長江を遡り、漢口を經て北京に入りたりしが、車上に將た船中に、日々眼に遮るもの一として驚神の因たらざるはなく、外國旅行には多少の經驗ある己にも、支那は再遊したき國なりとの感を禁ずること能はざりき。 |
初出 | 「藝文 第六年第五號」1915(大正4)年5月 |
底本 | 日本中世史の研究 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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