豊島与志雄の児童文学全作品

お月様の中で、尾のない鳥が、金の輪をくうわえて、お、お、落ちますよ、お、お、あぶないよ。

おうさむこさむやまからこぞうがないてきたなーんとてないてきたさむいとてないてきた。

うしろに山をひかえ前に広々とした平野をひかえてる、低いなだらかな丘の上に、小さな村がありました。

今のように世の中が開けていないずっと昔のことです。

まっ白いネコ九州の北海岸の、ある淋しい村に、古い小さな神社がありました。

むかし、あるところに、エキモスという羊飼いの少年がいました。

コーカサスに、一匹の大きな禿鷹（はげたか）がいました。

正覚坊というのは、海にいる大きな亀のことです。

むかし、ある片田舎の村外れに、八幡様のお宮がありまして、お宮のまわりは小さな森になっていました。

昔ペルシャの国に、ハムーチャという手品師がいました。

ある田舎の山里に、甚兵衛という馬方がいました。

むかし、ある所に大きな村がありました。

ある所に、五右衛門というなまけ者がいました。

むかし、ある山裾に、小さな村がありました。

むかし、近江［＃ルビの「おうみ」は底本では「おおみ」］の国、琵琶湖の西のほとりの堅田に、ものもちの家がありまして、そこに、ふたりの兄弟がいました。

ある夏、大変なひでりがしました。

ある大都会の大通りの下の下水道に、悪魔が一匹住んでいました。

むかし、ギリシャの片田舎に、ケメトスという人がいました。

港というものは、遠く海上を旅する人々の休み場所、停車場というものは、陸上を往き来する人々の休み場所、どちらもにぎやかなものです。

私は一年間、ある山奥の別荘でくらしたことがあります。

遠い昔のことですが、インドの奥に小さな王国がありました。

むかし、世の中にいろんな神が――風の神や水の神や山の神などいろんな神が、方々にたくさんいた頃のこと、ある所に一人の長者が住んでいました。

むかし、トルコに、ハボンスといふ手品師がゐました。

或（あ）る山奥の村に、八太郎といふ独者がゐました。

或（ある）ところに、センイチといふ猟師がゐました。

むかし、台湾の南のはじの要害の地に、支那の海賊がやつてきて、住居をかまへましたので、附近の住民はたいへん困りました。

むかし、関東地方を治めてゐた殿様がありまして、江戸に住んでゐられました。

むかし、木曾の山里に、一助といふ年とつたきこりがゐました。

ヨーロッパから西アジヤにかけて、方々にちらばつてる一つの民族があります。

むかし、インドのある町に、時々、飴うりの爺さんが出てきまして、子供たちにおもしろい話をしてきかせて、うまいまつ白な飴をうつてくれました。

公園の占師南洋のある半島の港です。

大きな工場のかたすみに、倉庫があります。

朝早くから、子供たちは、みんな、政雄の所に集りました。

ある港町の、港と停車場との間の、にぎやかな街路に、市郎の店はありました。

がけの上のひろい庭に、大きな椎の木がありました。

暗黒大陸の父世界で最も古い文化の一つは、アフリカ北海岸の一部のエジプトに開けました。

地球の両極地球は、自分でくるくる回転しながら、また大きく太陽のまはりを廻つてゐます。

むかし、ペルシャに大変えらい学者がいました。

むかし、インドに、ターコール僧正というえらいお坊さまがいました。

――皆さんは、人間の身体は右と左とまったく同じだと、思っていますでしょう。

むかし印度のある国に、一人の王子がありました。

むかし、ある田舎の小さな町に、甚兵衛といういたって下手な人形使いがいました。

――長いあいだ汽車の機関手をしていた人が、次のような話をきかせました。