30分以内で読める青空文庫の短編児童文学作品

レールが、町から村へ、村から平原へ、そして、山の間へと走っていました。

ある青年は、毎日のように、空を高く、金色の鳥が飛んでゆくのをながめました。

ある名も知れない、北国の村に、あれはてたお寺がありました。

父親は、遠い街に住んでいる息子が、どんな暮らしをしているかと思いました。

有一君は四年生で、真奈ちやんは二年生です。

「おい／＼、みんな、よう聞け。

「こどもクラブ」では、日曜日ごとに、朝の九時半から正午まで、子供会がありました。

今日は、ひとつ、私の子供の時分――小学校時代のことを話しませう。

びつくりするほど冷たい井戸水を、ザブ／＼と二つのバケツに一ぱい汲（く）むと、元気な槇（まき）君はそれを両手にさげて、廊下から階段を登つて、トツトと自分の教室へ帰つて来ました。

新しいランドセルを脊負ひ、新しい草履袋をさげて、一年生の進ちやんは、元気よく学校から帰つて来ました。

汽車のやうな郊外電車が、勢ひよくゴッゴッゴッゴッと走つて来て、すぐそばの土堤の上を通るごとに、子供達は躍り上つて、思はず叢（くさむら）から手を挙げました。

「来た来た！」「やあ、来たぞ来たぞ！」「汽車だ汽車だ！」「みんな用意をしろツ！この汽車には張作霖が乗つてるんだぞツ！」子供たちは線路の中に躍り上りました。

公園の中の子供プールには、朝八時ごろから、もう泳ぎがはじまつてゐました。

垣根の楓（かえで）が芽を萌（ふ）く頃だ。

静かな、春の晩のことでありました。

何処からともなく一人の僧侶が、この村に入って来た。

もう春もいつしか過ぎて夏の初めとなって、木々の青葉がそよそよと吹く風に揺れて、何とのう恍惚（うっとり）とする日である。

そのころ私は不思議なこころもちで、毎朝ぼんやりその山を眺めていたのです。

昔、ある北の国の山奥に一つの村がありました。

むかし、あるところに、それはそれは正直なおばあさんが住んでいました。

それは古い沼で、川尻からつづいて蒼（あお）くどんよりとしていた上に、葦（あし）やよしがところどころに暗いまでに繁っていました。

私の子供の頃のことであるが、往来を通る見ず知らずの馬車の上の人や車の上の人におじぎをして、先方がうっかり礼をかえすと、手をうって喜ぶいたずらがあった。

小学校時分の話であります。

美しい翼がある天使が、貧しげな家の前に立って、心配そうな顔つきをして、しきりと内のようすを知ろうとしていました。

兄と妹は、海岸の砂原の上で、いつも仲よく遊んでいました。

あるところに、あまり性質のよくない男が住んでいました。

いまでは、いい薬がたくさんにありますけれど、まだ世間が開けなかった、昔は、家伝薬などを用いて病気をなおしたものであります。

お嬢さんの持っていましたお人形は、いい顔で、めったに、こんなによくできたお人形はないのでしたが、手もとれ、足もこわれて、それは、みるから痛ましい姿になっていました。

あるところに、いつも遊び歩いている男がありました。

親たちは、生き物を飼うのは、責任があるから、なるだけ、犬やねこを飼うのは、避けたいと思っていました。

むかし、美しい女が、さらわれて、遠い砂漠のあちらの町へ、つれられていきました。

そこは、熱い国でありました。

町の運輸会社には、たくさんの人たちが働いていました。

あるところに、踊ることの好きな娘がありました。

広やかな通りには、日の光が暖かそうにあたっていました。

ある山の中の村に、不しあわせな二人の娘がありました。

正坊のおじいさんは、有名な船乗りでした。

鈍い砂漠のあちらに、深林がありましたが、しめっぽい風の吹く五月ごろのこと、その中から、おびただしい白い蛾（が）が発生しました。

Ｓ（えす）という少年がありました。

毎日のように、村の方から、町へ出ていく乞食がありました。

沖の方に、光ったものが見えます。

この港は山の陰になっていましたから、穏やかな、まことにいい港でありました。

俊坊はをぢさんの手にぶら下りながら、夜の街通りをゆきました。

雨がしとしととふりました。

「お母さん。

町裏を小さな川が流れていました。

人間が、天国のようすを知りたいと思うように、天使の子供らはどうかして、下界の人間は、どんなような生活をしているか知りたいと思うのであります。

ある田舎の街道へ、どこからか毎日のように一人のおじいさんがやってきて、屋台をおろして、チャルメラを吹きならして田舎の子供たちを呼び集め、あめを売っていました。

毎年のように、遠いところから薬を売りにくる男がありました。

彼らの群れから離れて、一羽の小鳥が空を飛んでいますと、いつしか、ひどい風になってきました。