30分以内で読める青空文庫の短編児童文学作品

むかしむかし大昔、今から二千年も前のこと、一人の金持ちがあって、美くしい、気立の善い、おかみさんを持って居ました。

蜘蛛と、銀色のなめくじとそれから顔を洗ったことのない狸とはみんな立派な選手でした。

むかしむかし、あるところに、なに不自由なく、くらしている紳士がありました。

一本木の野原の、北のはずれに、少し小高く盛りあがった所がありました。

虔十はいつも縄の帯をしめてわらって杜（もり）の中や畑の間をゆっくりあるいているのでした。

小岩井農場の北に、黒い松の森が四つあります。

「何の用でここへ来たの、何かしらべに来たの、何かしらべに来たの。

そのとき私は大へんひどく疲れていてたしか風と草穂との底に倒れていたのだとおもいます。

クという名前のねずみがありました。

山の神の秋の祭りの晩でした。

キッコの村の学校にはたまりがありませんでしたから雨がふるとみんなは教室で遊びました。

ユウコフは年はまだやつと九つです。

「僕の帽子はおとうさんが東京から買って来て下さったのです。

ポチの鳴き声でぼくは目がさめた。

土用波という高い波が風もないのに海岸に打寄せる頃になると、海水浴に来ている都の人たちも段々別荘をしめて帰ってゆくようになります。

ガドルフの百合宮沢賢治［表記について］●底本に従い、ルビは小学校１・２年の学習配当漢字を除き、すべての漢字につけた。

流沙の南の、楊（やなぎ）で囲まれた小さな泉で、私は、いった麦粉を水にといて、昼の食事をしておりました。

時、一千九百二十年代、六月三十日夜、処、イーハトヴ地方、人物、キュステ博物局十六等官ファゼロファリーズ小学校生徒山猫博士牧者葡萄園農夫衣裳係オーケストラ指揮者弦楽手鼓器楽手給仕其他曠原紳士、村の娘多勢、ベル、人数の歓声、Hacienda, the society Tango のレコード、オーケストラ演奏、甲虫の...

楢夫は夕方、裏の大きな栗（くり）の木の下に行きました。

三月八日お父さんが、夕方村会からかえって来て、こうおっしゃった。

むかし、花のき村に、五人組の盗人がやって来ました。

四人が川のふちまできたとき、いままでだまってついてくるようなふうだった薬屋の子の音次郎君が、ポケットから大きなかきをひとつとり出して、こういった。

張紅倫新美南吉奉天（ほうてん）大戦争（一九〇五年）の数日まえの、ある夜中のことでした。

久助君は、四年から五年になるとき、学術優等品行方正のほうびをもらってきた。

村むらを興行して歩くサーカス団がありました。

山の中の道のかたわらに、椿（つばき）の若木がありました。

母長男長女次男三男（病気の子）岡のふもとの竹やぶにかこまれた小さい家。

十四、五になる大概の家の娘がそうであるように、袖子もその年頃になってみたら、人形のことなぞは次第に忘れたようになった。

崖下の道いつも通りなれた崖下を歩いていた青二だった。

一人の乞食の小僧が山の奥深く迷い入って、今まで人間の行った事のない処まで行くと、そこに猿の都というものがあった。

玉雄と照子は兄妹で毎日仲よく連れ立って、山を越えて向うの学校に通って、帰りも仲よく一所になって帰って来ました。

八っちゃんが黒い石も白い石もみんなひとりで両手でとって、股の下に入れてしまおうとするから、僕は怒ってやったんだ。

画を好かぬ小供は先ず少ないとしてその中にも自分は小供の時、何よりも画が好きであった。

むかしむかし、或（ある）山の上にさびしい湖水がありました。

蜀黍畑お背戸の親なしはね釣瓶海山千里に風が吹く蜀黍（もろこし）畑も日が暮れた鶏さがしに往かないか。

鶯の宿麗かな春の日である。

あるとき、三十疋（ぴき）のあまがえるが、一緒に面白く仕事をやって居りました。

清作は、さあ日暮れだぞ、日暮れだぞと云（い）ひながら、稗（ひえ）の根もとにせつせと土をかけてゐました。

おとら狐（ぎつね）のはなしは、どなたもよくご存じでしょう。

あるうちに一つの鳥かごがありました。

ある所にアア、サア、リイという三人の兄弟がありました。

むかし、ある霧のふかい朝でした。

廃工場の町少年たちは、遊び方に困っていたし、また遊ぶ場所もなかった。

「お父、また白山が見える！」外から帰って来た為吉は、縁側に網をすいている父親の姿を見るや否や、まだ立ち止らない中にこう言いました。

皆さん、あなた方は、納豆売の声を、聞いたことがありますか。

石太郎が屁（へ）の名人であるのは、浄光院の是信さんに教えてもらうからだと、みんながいっていた。

西蔵は世界の屋根といはれてゐるほどで、国全体が高い山々の連りだ。

暑い暑い、どんな色の白い人でも、三日もおれば直ぐ黒ん坊になる程暑い南洋の島々には椰子蟹がおります。

ポピイとピリイとは、あるお屋敷の車庫の中で長い間一しょに暮して来た、もう中古の自動車です。

ふしぎな器械「ぼく、生きているのがいやになった」三四郎が、おじさんのところへ来て、こんなことをいいだした。