青空文庫で公開されている土田耕平の児童文学作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
私が幼いころ、一ばんさきにおぼえた字は、八といふ字でありました。
文吉は、ある夏休の末のこと、親不知子不知の海岸に近い、従兄の家へあそびに行きました。
枕もとの障子に笹(ささ)の葉のかげがうつりました。
はげしい雨風の夜であります。
その時、太郎さんは七つ、妹の千代子さんは五つでありました。